会社を登記して銀行口座をつくるまで
銀行には法人口座というものがある。そもそもなんでひとりしかいないのに会社をつくる必要があるかといえば、会社名義の銀行口座がないと商売ができないからだ。極端な話、スタートアップにとっては銀行口座をつくるために会社をつくる必要があるといってもいい。個人でもできないことはないが、相手が法人でないと契約してくれない会社もあるし、個人では信用も低い。法人だからといって信用が高いわけではないのだけど、そういう習慣なのだからしかたがない。
そういうわけでまず会社を登記しないといけなかった。会社をつくるために準備しておくものはざっとこれくらいある。
会社名を決める
これを決めないと始まらない。あんまり考えすぎるとそのうちになんかもうこれでよくね?みたいになる。一般的に、ダサい名前のほうが覚えてもらいやすいがあんまりダサいと将来困ることもあるので、バランスを考える必要がある。自分の会社名の由来は長くなるのでまたそのうち。
判子を買う
楽天で会社登記セットみたいなのを8000円くらいで購入。代表印と、銀行印と角印のセット。
ドメインをとる
メールアドレスがあったほうがなにかとやりやすいので、登記する前にドメインをとって、Google Apps for Workでメールが使えるようにした。スタートアップのメールってもうGoogle Apps一択のような気がする。サイボウズがんばれ。
登記する住所を決める
住所がないと会社の登記はできない。オフィスなんぞはないので、バーチャルオフィスを借りるか、自宅の住所で登記することになる。バーチャルオフィスを借りようと思ったのだけど、これまた審査が必要らしい。それにバーチャルオフィスだと銀行口座の審査に通りにくいと聞いたので、けっきょくバーチャルオフィスを使うのはやめた。このへんですでに心が折れかけている。
定款をつくる
なんやかんや書かないといけない。目的欄というのがあって、この会社でやる可能性がある事業を思いつき次第かいていく。飲食店とかやらなさそうなのもいちおう書いておく。あと取締役の任期やら、資本金やらを決める。最初は自分で登記してみようかなとも考えたけど、めんどうくさいので司法書士さんに頼むことにした。
資本金を銀行に振り込む
ただ自分の口座に資本金があるだけではだめなんだそうで、振り込んだことを証明するために通帳をコピーして提出する必要があるらしい。通帳なんかもってないのでまず個人の口座をりそな銀行でつくることにした。なにやってんだという気がしなくもない。口座開設の理由はと聞かれて特に後ろめたいこともないんだけど若干挙動不審になっていやあメインバンクにしたいのでとかわけのわからないことをいった覚えがある。個人の口座は無事その日のうちに開設が完了。資本金はすぐ振り込んではいけなくて、定款の認証が済んでから振り込むのだそうだ。ああややこしい。
定款認証、登記
このへんはもうすべて司法書士さんにお任せした。登記までに定款の認証をしてもらわないといけない。登記した日が創立日になるんだそうだ。あんまり気にするほうではないんだけど、大安に合わせたらクローバ株式会社の創立日は2015年の6月22日になった。第三新東京市に最初の使徒が襲来した日なのだそうだ。
無事会社の登記がおわる
これでようやく銀行に赴くことができる。 やってみてはじめて知ったのだけど、会社ができたからといって、かんたんに銀行口座がつくれるわけではない。昨今は振り込め詐欺やなんやの問題があって、特に都銀でできたばかりの会社が口座をつくるのはかなり難しいのだそうだ。なんで法人の口座が特別なのかよくは知らないけど、振り込み限度額が高いのもあるし、法人の口座だと高額の入出金が頻繁にあっても怪しまれないからかもしれない。
で、続いて銀行口座をつくる編
名刺をつくる
銀行で担当者に渡すために名刺を作った。ネットで1700円くらいだった。ロゴとかはいちおう事前にデザイナーにお願いしてちゃんと作った。
ホームページをつくる
なんで銀行口座をつくるためにホームページがいるのかと思うかもしれないけど、ネット銀行でもホームページがないとだめよというところがけっこうあった。さくらのVPSを借りて半日かけてつくる。写真はネットで購入。とりあえずトップページだけ用意した。なんも書くことないし。 合わせてFacebookページやらTwitterアカウントやらもつくっておく。
銀行へいく
印鑑証明やら会社の履歴事項全部証明書やらそういうのを取り寄せて、銀行に赴く。どこの銀行にいくかぜんぜん決めてなかったけど一番法人利用が多いというのでとりえあず三菱東京UFJに行ってみることにした。りそなさんごめんなさい。なぜかジャケットとか着ていった。
銀行からしてみると、まっとうな取引のある会社だということを証明してくださいとうことになる。口座がないから取引なんかできないんですけどとか野暮なことをいってはいけない。幸い会社をやめてから個人で取引してくれた取引先がいくつかあったので、その契約書を合わせてもっていく。ホームページの印刷も忘れない。窓口のおねえさんは事務的に書類をうけとると、なにかご質問はありますかというので、他にこういうのがあれば審査に通りやすいとかいう書類があれば持ってきますが、なにかありますか? と聞いたら、「あ、逆にですかぁ?」といわれた。ぜんぜん逆にではない。
翌週、確定申告の書類を持ってこいと呼び出しを受ける。そうして待つこと一週間
無事口座ができました。
これでようやくスタートライン。