上海渡航マニュアル

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 上海から帰ってきた。いまは上海に行くのは年に数回だけど、3年前は年の半分以上は上海に滞在していて、パスポートには中国の空港で押されたスタンプを数えたら42個もあった。これはもうちょっと異常な渡航数だ。これだけ行くとそれなりには上海にいく人へのアドバイスなどができそうなので、渡航する人のためにTIpsをまとめてみることにした。

空港

 東京から上海まではだいたい3時間。

 上海には国内線が主に発着する虹橋(ホンチャオ)と、国際線が発着する浦東(プートン)のふたつの空港がある。日本からだと、成田から行くと浦東に、羽田からだと虹橋に降りることになる。浦東のほうが郊外にあるので、中心部からは遠い。浦東からは最高時速430kmというリニアモーターカーが走っているが、乗ってもたいしたことはないのでタクシーを使ったほうが早い。

 機内食を食べたいなら、ANAやJALを選んだほうがいい。ただ少々割高なので、中国の航空会社の便で行くことが多い。機内食がでてきたら、「不要(ブーヤオ)!」といって断ることにしている。初めてなら一度食べてみるのもいいかもしれないが、お勧めはしない。

 あと、帰るときにどのターミナルに行くのか聞かれるので、到着したターミナルを覚えておかないといけない。虹橋の場合は国際線は第一ターミナルになる。 帰りにタクシーのおっさんがなにかいっていたら、「虹橋空港、第一ターミナル(ホンチャオジーチャン、イーハールー!)」とだけ叫ぶ。あとにも書くけど、英語が通じるとか思ったら大間違いなので国際人ぶってエアポート、プリーズ、とかいうのはやめよう。運転手に、「ア?!」とキレれるだけ。

両替

 羽田でも現地空港でも両替できる。レートは通常は今16円/元くらいだけど、空港だとレートが悪いので、VISAのキャッシングを使ったほうがまだいいと思う。わたしはCitibankの口座を持っているので、中国のATMでもだいたい自分の口座からお金がおろせる。中国銀行とか交通銀行とかでは 使えないっぽい。

携帯

 短期の旅行であれば、日本の携帯でローミングを使うのがいちばんかんたんだけど、1日2000円くらいする。空港でモバイルWiFiをレンタルしたほうが経済的。

 長期滞在であれば、SIMフリー携帯を持っていれば、現地のプリペイドSIM(駄菓子屋みたいなよくわからない店で売っている) を差せばそのまま使える。特にアクティベーションは必要なかった。 使わなくても毎月何十元か減っていくので半年使わなかったら捨てたほうがいいとのこと。 チャージするときも駄菓子屋でコードの書かれた紙を買って携帯に入力する。

 チャージのしかたはけっこうむずい。あまり使う人はいないと思うけど、いちおう書いておく(China Mobileの場合)

  1. SMSで宛先「10086」に「yecx」と書いて送信すると、残りのチャージの返信がくる
  2. 「100元」の充値カードを購入する
  3. 充値カード のシールをめくり暗証番号を確認する (09********* の18桁)
  4. チャージする
  5. 13800138000に電話する
  6. 2番 をおす // 言語の選択で、英語は2番
  7. 2番 をおす // サービスの選択で、プリペイドのチャージは2番
  8. 1番と# をおす // チャージ先の選択で自分の携帯番号の場合は1番と#
  9. 1番 をおす // チャージ先の電話番号の確認があるので、間違いが無ければ1番
  10. 充値カードカードに記載の「暗証ナンバー」 を入力して#を押す → 電話が切れる
  11. 10086(中国移動) からSMS が届く
  12. 念のため、yecxを送って残チャージを確認すると、100元増えている

移動

 地下鉄か、タクシーを使うことになる。どちらも交通カードというSuicaみたいなのが使えるので長期滞在の場合は持っていると便利。タクシーは日本よりも安くて、初乗り200円くらい。ただ運転手は英語がいっさい通じない。ストップすら通じない。あと地図も読めない。日本人は中国語の発音が下手なので行き先を告げるのがむずいけど、がんばって通りの名前をいうのが確実。

 駅にはよく物乞いがいる。日本とちがって切迫さがものすごい。足がないような人はざらにいるし、雨の中土下座して物乞いをする女の人もいる。地下鉄にのっていたら、ギターを持ったおっさんがじゃがじゃが弾き語りを始めて、ちょっと目が合ったらけっこう人が乗っているのにすぐ前まできて歌い始めて迷惑このうえなかった。そして金を払えみたいなことをいってきたので強く拒否したら、歌いながらとなりの車両へいってしまった。

空気、水

 まあ、報道されているとおり。空気は100メートル先が白くかすむ感じ。雨が降るとほこりが落とされてましになるらしい。マスクをしている人はほとんどいない。水は数年前はものすごく水道水が臭かったので、ミネラルウォーターで歯を磨いていた。最近は上水道の設備がよくなったらしくて、歯を磨けるくらいはきれいになった。

治安

 スリとかは多いらしいけど、普通に気をつけていれば大丈夫。上海のような都会ではほとんど日本人だからといって襲われるようなことはない。ひとりで夜中にクラブいったりしていたけど、特に危険なことはなかった。中国の人は声が大きくて、まくしたてるように喋るので身構えてしまうけど、怒っているわけではないらしい。

ホテル

 いいホテルでも、日本のようなクォリティは期待しないほうがいい。たてつけが悪かったり、トイレが流れなかったりはざらにある。インフラの問題なのだと思う。特に高層階はお湯がでないことがあるから注意。

 わたしがよく泊まっていたのは200〜300元くらいの安いホテルだったけど、実際部屋が広いか狭いかくらいで質はあまり変わらない。毎朝掃除に来てくれるおねえちゃんが、部屋に入ってても関係なくガンガンノックしてくる。部屋を掃除してもらいながら着替えたりするのは普通。クリーニング頼んだら、おねえちゃんがその場でパンツとかぜんぶ広げて数をチェックされるのでちょっと恥ずかしかった。

ネット

 中国には、グレートファイヤーウォールという悪名高い検閲システムがあるので、TwitterとかDropboxとかは使えない。Gmailとかもときどき使えなくなる。ローミングなら日本とのVPNみたいなものなので日本と同じようにアクセスできる。

 あとちょっとでもエッチなやつとか日本語ブログとかはことごとく見れない。フィルタリング能力はんぱない。 さっきまで見られていたページが見られなくなったりするので人海戦術フィルタかと錯覚するけど、実際どうなのかは知らない。

食事

 現地のごはんはめちゃ安い。ビール80円とか、どんぶり50円とか。 でもダブルスタンダードなので、日本人が日本で食べているようなものを食べようとすると、とたんに高くなる。下手すると日本より高いかもしれない。

 ビールはピンダ(冷たいの)と言わないとぬるいやつが出てくる。 中国人はあまり冷たいものを飲む習慣がないのらしい。

 まえにローカルの火鍋屋にいって、メニューを見たら漢字しか書いてなくてわからないと伝えたら、おねえちゃんがじゃあこっちに来いといって厨房まで連れていかれて、好きなのを選べといわれた。ゴミバケツみたいなのに入ったなんの肉かわからないものや、にごった水に浮いている魚とか、ぜったい生では食べられない野菜とかが無造作においてあって、うーん見ない方がよかったなと思ったけど、これとこれ(チェガ、チェガ)と指さしていって無事に鍋をいただくことができた。味はたいへん美味しかった。

 上海っぽいうまいものが食べたければ、やっぱ上海ガニになる。シーズンは冬だけど、一年中食べれる高級店もある。そういう店ではおねえちゃんがちっちゃい足のいっぽんいっぽんまで向いてくれる。ふつうはそんなの食べないらしい。現地の人はがっと家で何杯もゆでてミソだけ食べてあとは捨てるのだといっていた。

 なんか小籠包めっちゃ食いたくなってきた。

観光

 有名なのは、御苑とか、上海タワー周辺とか。人民公園には香港名店街みたいなのとか上海美術館とか博物館とかがある。 上海美術館はたいして有名な展示があるわけではないが、こぢんまりして感じがよかった。 あとでかい本屋もあるので時間がつぶせる。日本人ですかといって声をかけてくるおねえちゃんについていくとぼったくりカフェに連れていかれるらしい。あったことないけど。

人民公園 ぼったくり - Google 検索

 人民公園にいったときに、なんか大勢の人が集まっている一角があって、おばちゃんがいっぱいいて、プラカードみたいなのをもってわーわーいっていた。プラカードには名前とか、身長何センチとか書いてあって、人の写真が貼られているものもあった。もしかしたら日本でいう中国残留孤児みたいな、生き別れになった肉親を探しているのかなと思ったけど、けっきょくなんの集まりかさっぱりわからなくて、ホテルに帰った。あとで会社の人にきいたら、あれはこどもの結婚相手を探しているのだと教えてくれた。集団お見合いみたいなものなのかもしれない。

 まあ、いろいろある。KTVというキャバクラみたいなところにいくと時間無制限でさんざんおねえちゃんとカラオケをうたってたくさんお金を使うことができる。

病院

 ある寒い日にめちゃめちゃ歯がいたくなって、しまいに前歯の歯ぐきがカッパみたいに腫れてきたので、これはいかんと思ったけどさすがに現地の病院に行く勇気がなかったので、日本人がやっている歯医者をさがしていったら前歯の神経が死んでますねといわれて神経を抜いてもらった。保険がきかないので1300元くらいとられた。

 以上、上海にいくことがあれば参考にしてみてください。再見!