生産性のない忙しさ
先週は社員旅行でグアムにいった。8年間勤めているけど社員旅行にいったのは初めてだった。グアムでは馬鹿みたいにプールでぼーっとしたり泳いだりしてすごした。今週は引っ越しをすることになっていて、もうあと何時間かで引っ越し屋さんがくる。まだ荷造りは終わっていない。だからあと30分以内にこのブログを書かないといけない。そして明日からはサンフランシスコに出張だ。なんというか、忙しい。忙しいけどなにも生産していない。
新しい小説をそろそろ書きたいと思っている。考えないとなにもでてこないので、グアムの帰りの飛行機の中で考えていた。人によって着想はさまざまだと思うけど、わたしの場合はなんとなく、物語全体からでるイメージとか、なにができたら成功なのかということを考える。製品のコンセプトを考えるときとあまり変わらない。
頭の中のイメージやアイデアを具体化していくという作業は面白いが、雲をつかむようなもので根気よく金脈を探り出すより方法はない。いつどこでアイデアがでてくるかもわからない。ときには自分がなんとなく持っているイメージに近い言葉の断片をノートに書き出してみるのもいい。犯罪とか、レストランとか、肉体とか、赤いものとか。以前読んだ任天堂のWiiのコンセプトワークについて紹介したこの本は面白かった。どう面白かったのか読み返そうとしたがすでに本は梱包済みなのでAmazonのレビューとかを見てほしい。ごめんなさい。Kindle版もあるみたい。
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そうこうしているともう20分過ぎてしまった。あと10分。飛行機の中でそんなことを考えていると、ぜんぜん関係ないアイデアが浮かんだ。それは床下というか、自分の真下にいる男のイメージで、つねによくわからない男が自分の下にいたら面白いなと思った。それだけのイメージであとはなにもないけどこれだけで20枚くらいの短編なら書けそうだ。がんばれば2日で書ける。本当にそうか? 床下にいる男ってなにそれ、霊? 霊だろうがなんだろうが、小説にはリアリティが必要だ。井戸から出てきて皿を数える幽霊の話にはリアリティがない。貞子にはリアリティがある。真下にいる男のリアリティを考えないといけない。そういえば江戸川乱歩の屋根裏の散歩者という作品がある。床下の散歩者だとただのパクリなので屋根裏の散歩者ってどんな話だっけと思ったがそれも梱包済みだった。帰国して落ち着いたらもうちょっと考えてみよう。こんなせかせかしたブログを読んでいただいた方に申し訳ないので、この話は無料で公開すると宣言してみる。
あと2分しか時間がなくなった。荷造りをしよう。