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起業して収入がほとんどなくなっても税金が減らないという話

起業して半年がたった。会社を始める前は、しばらく収入はほぼなくなるけどその分税金は払わなくてよくなるわーと思っていたが、それがまったく間違いだったことがわかった。これから起業する人のために記しておくことにする。

会社を始めるときには、役員報酬というものを決めないといけない。これは一度決めたら、一年間は同じ額を払い続けないといけない。そして売り上げのないスタートアップの場合、その報酬は基本的に資本金から捻出することになる。資本金というのは、わたしがサラリーマン時代にあくせく働いて、税金を納めて残った大事な大事なお金で本当は息子を大学に行かせるために使われるはずのものだ。そのわたしの資本金からわたしに役員報酬を払うと、そこから所得税が持っていかれる。これは本当に意味がわからん。さらに資本金が底をついてくると、会社に、社長から借り入れるということをしないといけなくて、またお金を個人の口座から会社の口座に戻すというマッチポンプのような作業が必要になる。わざわざ銀行に出向いて振込手数料を払いながら数字だけが銀行を移動していくのを見るとなにをやってるんだという気分になる。

それなら役員報酬なんか、売り上げが上がるまでゼロでいいだろうと思うかもしれないけど、そうはいかないんである。なぜかというと、わたしの生業はウェブサービスで、ソフトウェアの開発人件費は資産計上されるからだ。つまり、いくらわたしに給料を払っても、リリースしない限り経費にならないし、5年かけてやっと全額経費になる(年に20%しか経費にできない)。

わかりやすく説明すると、年間の売り上げが500万だとする。わたしの会社は将来めちゃめちゃ儲けるつもりなので、この売り上げは赤字にしたい(赤字分の控除は9年繰り越せる)。今期赤字を出しておくことで、2期目以降の法人税負担を軽くすることができる。シミュレーションすると、トータルで50万近く税額を抑えられることがわかる。ところが、ソフトウェアの開発人件費が資産計上されるために、今わたしに支払っている役員報酬がすべて費用として計上されるのは5年後だ(リリースしなければもっと遅くなる)。つまり、将来の費用を今払わないといけないということだ。この期間は個人の所得税と、資産分の法人税がのしかかってくることになる。

いろいろな経営方針があると思うが、わたしは将来のことを考えると、今自分にそれなりの額の役員報酬を払っておいたほうがいいと判断した。だから大事な種銭から税金と振込手数料が搾り取られていくのを見ながら自分の口座から会社の口座へ、また会社の口座へと振込を続けている。

ちなみに、昨年の国民健康保険の負担はわたしの地域で年間77万円だ(わたしは元の会社の健康保険に任意継続したがそれでも50万)。それに国民年金が月1万5千円。住民税。収入があることになっているので社会的な保証は一切なし。赤字なのにこれは厳しい。もう毎日泣きそうになっているけど、まあ自分で選んだことなのでしかたがない。

スタートアップのソフトウェア資産計上に関する問題点については、議論と改善を希望したい。